ボトックス外来に来る患者様や御家族に良く聞かれる質問にお答えしていきたいと思います。
Q1. ボトックスが毒から作られていると聞いたけど、副作用とか大丈夫ですか?
ボツリヌス製剤は、食中毒の原因菌から作られていますが、医療用に「筋肉を柔らかくする成分」だけを抽出・精製した安全な薬です。
注射した筋肉以外の臓器(心臓や肺など)へ影響することはありません。
ごく稀にアレルギー反応が起こる可能性はありますが、報告されているような重篤な副作用は非常に少ないためご安心ください。
Q2. なぜ筋肉が柔らかくなるのですか?
神経から筋肉へ「ギュッと縮め」と伝える命令を、一時的にブロックする働きがあるからです。
これにより、緊張しすぎた筋肉の力が抜け、柔らかくなります。
Q3. 痛みや、手足のつっぱり感も減りますか?
筋肉の過剰な緊張が原因で痛みが出ている場合、この治療で改善が期待できます。
また、手足のつっぱり感も大幅に改善します。
ただし、筋力低下による痛みなど、痙縮以外の原因で起きている症状には適応しない場合があるため、医師の診察による判断が重要です。
Q4. 何か所に打ちますか?時間はどれくらい?当日帰れますか?
患者さんの状態によりますが、目安は片手で5〜7か所、片足で4〜8か所程度です。
準備から終了まで、片手または片足なら約15分〜30分程度で完了します。
治療後は即日帰宅可能です。
(※リハビリ目的の入院をご希望の場合はご相談ください)
Q5. 当日の運動やリハビリ、マッサージはしてもいいですか?
当日のリハビリは、薬を筋肉に浸透させるため非常に有効です。
運動も問題ありません。
ただし、注射部位の過度なマッサージは内出血の原因になる可能性があるため、翌日以降に行うようにしてください。
常用薬はこれまで通り服用していただいて大丈夫です。
Q6. 美容のボトックス治療と何が違いますか?
目的と使用量が違います。
美容目的は「しわを取る」ために少量の薬剤を使用しますが、痙縮治療は「動きやすくする」「介護を楽にする」ために、手足や体幹などの大きな筋肉へ、美容より遥かに多い量の薬剤を使用します。
Q7. 依存性はありますか?治療をやめると前より悪くなりますか?
依存性はありません。
注射をやめると数か月で元の状態に戻りますが、治療前より悪くなることはありません。
ただし、治療を放置して「拘縮(関節が完全に固まる状態)」になると手術が必要になるため、適切な継続治療をお勧めします。
継続により注射の間隔が空くようになる患者さんも多くいらっしゃいます。
Q8. 他の治療(内服・手術)との違いは?
飲み薬による筋弛緩剤は、全身に作用するため眠気やふらつきなどの副作用が出やすいのが難点です。
一方、ボツリヌス治療は「特定の筋肉だけ」を狙って緩められるのが最大の特徴です。
手術はアプローチが異なりますので、重症度や目的に応じて最適な治療法を検討します。
Q9. 当日準備するものはありますか?
特別な持ち物はありません。
他院からの紹介状(お薬手帳でも可)があるとスムーズです。
また、患部が出しやすいよう、脱ぎ着が簡単な服装でご来院いただくことをお勧めします。