ボツリヌス治療 連載第12回 注射の効果を長持ちさせる!自宅でできる「簡単ストレッチ」

ボトックス注射で筋肉を緩める効果は、リハビリテーションや自宅でのストレッチを組み合わせることで、より高めたり、長持ちさせたりすることが可能です。
今回は、麻痺がある患者さんでもご自身で取り組める、簡単なストレッチ方法をご紹介します。

1. 手や腕(上肢)のストレッチ

手や腕に痙縮(けいしゅく)がある場合に有効です。

  • 方法: 椅子に座った状態で両手を組みます。
    そのまま、組んだ両手をゆっくりと上げたり下げたりしてください。
  • ポイント: 動かせる側の手を使って、麻痺がある側の腕を優しくガイドするように動かしましょう。

2. 足や膝(下肢)のストレッチ

膝や股関節に痙縮がある場合に有効です。

  • 方法: 椅子に座り、動かせる側の足を、麻痺がある側の足の後ろ(かかと付近)に添えます。
    そのまま動かせる側の足の力を使って、麻痺がある側の足を持ち上げたり下げたりします。
  • ポイント: 無理な力は入れず、関節の動きを感じながらゆっくり行いましょう。

理想の回数と継続のコツ

こうしたストレッチは、1日30分ほど行っていただくのが理想ですが、まずは1日15分程度からでも十分に効果が期待できます。

また、現在はまだ手足のつっぱり(痙縮)が出ていないという方も、毎日15分程度のストレッチを習慣にすることで、将来的な痙縮の発生を予防することにつながります。

「毎日の歯磨き」と同じように、リハビリ後の良い状態をキープするための習慣として、ぜひ日々の生活に取り入れてみてください。
自分に合った具体的な方法を知りたい場合は、リハビリの専門家や主治医に相談してみるのも一つの方法です。

渡辺 淳志
筆者プロフィール
【リハビリテーション部長】

渡辺 淳志 WATANABE Atsushi

出身大学: 琉球大学

  • 日本リハビリテーション医学会 リハビリテーション指導医
  • 日本脳神経外科学会 脳神経外科専門医
  • 日本脳卒中学会 脳卒中指導医
  • 日本認知症学会 認知症指導医
  • 日本頭痛学会 頭痛専門医
  • 日本ボツリヌス治療学会 認定施注医
  • 医学博士号(甲)
  • 義肢装具等適合判定医
ボトックス外来ページへ