脳卒中などの後遺症で手足の筋肉が勝手に固くなってしまう痙縮。
実は、冬になるとこの症状が悪化しやすい傾向があることをご存じでしょうか。
なぜ寒くなると筋肉が固くなるのか?
その大きな原因は、寒さによる筋肉の緊張(反射)です。
皆さんも、冬場に外へ出たときや、お風呂上がりに冷えた脱衣所へ行ったとき、体が「ブルブルッ」と震えた経験があるはずです。
これは、筋肉を小刻みに動かして熱を作り、体温を下げないようにするための体の正常な反応です。
しかし、もともと筋肉がつっぱりやすい痙縮の患者さんの場合、この反応が過剰に起きてしまいます。
その結果、普段よりもさらに筋肉が固くなり、手足が動かしにくくなってしまうのです。
冬場の痙縮を悪化させないための「4つの対策」
冬を少しでも楽に過ごすために、日常生活で以下のことを意識してみましょう。
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室内の温度を一定に保つ
家の中では適切に暖房を使い、体が冷えない環境を整えましょう。 -
温度差(ヒートショック)を防ぐ
お風呂場や更衣室はあらかじめ暖めておき、急激な温度変化を避けることが大切です。 -
外出時はしっかり防寒を
厚着をして体温を逃がさないようにし、筋肉の緊張反射が起きるのを防ぎましょう。 -
定期的なストレッチ
手足を動かして血流を良くすると体温が上がりやすくなります。
無理のない範囲で、毎日のストレッチを習慣にしましょう。
季節に合わせた「治療の調整」という考え方
こうした寒さ対策を徹底しても、外気や廊下の冷えなど、冬の寒さを完全に防ぐことは難しいものです。
「冬になって急に動きづらくなった」
「着替えやオムツ替えの介助が以前より大変になった」
と感じる場合は、症状の度合いに合わせてボツリヌス療法の薬剤量を調整し、通常よりも筋肉を緩めやすくするといったアプローチも考えられます。
寒さによるつっぱりでお困りの際は、我慢しすぎず、冬特有の症状への対応について、痙縮治療を行っている専門医に相談してみるのも一つの方法です。