ボツリヌス治療を検討されている患者さんやご家族から、よくいただく「本音」の質問があります。
① ボツリヌス治療をして後悔しませんか?
② 治療を受けない(受けられない)ほうがいい人はいますか?
③ 先生のご家族が患者だったら治療を勧めますか?
今回は、これらの疑問について分かりやすくお答えします。
① ボツリヌス治療をして後悔しませんか?
ボツリヌス治療の効果は、患者さんの体質や状態によって個人差があります。
そのため、最初の治療では「効きすぎてかえって動きにくくなった」「筋肉が緩みすぎて介護の負担が増えてしまった」と感じることがあります。
逆に、「効果が弱すぎて、手足のつっぱり(痙縮)が十分に改善しなかった」というケースも少なくありません。
しかし、もし効きすぎてしまった場合でも、治療効果は通常3ヶ月ほどで切れます。
次回の治療時には、投与する薬剤の量を減らすなどして調整できるため、「効きすぎて一生困る」ということはありません。
また、効果が弱かった場合も、3ヶ月後の次回治療で量を増やすなどの対応が可能です。
回数を重ねるごとに、患者さん一人ひとりに合わせた「ちょうど良い効果」へと治療内容が調整(カスタマイズ)されていきます。
これまで「ボツリヌス治療をして後悔した」という患者さんやご家族にお会いしたことはありませんので、どうぞご安心ください。
② 治療を受けない(受けられない)ほうがいい人はいますか?
以下に該当する方は、ボツリヌス治療を受けられない、または慎重に判断する必要があります。
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妊婦・妊娠している可能性のある方
胎児に影響を及ぼす可能性があるため、治療は受けられません。 -
特定の成分にアレルギーがある方
ボツリヌス製剤の添加物である「ヒト血清アルブミン」(たんぱく質の一種)などにアレルギーがある方は、治療を受けられません。 -
特定の神経疾患をお持ちの方
重症筋無力症、ランバート・イートン症候群、筋萎縮性側索硬化症(ALS)などの神経・筋肉の病気がある方は、症状が悪化する恐れがあるため治療を受けられません。 -
筋肉をほぐす薬(筋弛緩薬)を服用中の方
薬の作用が強く出すぎてしまい、呼吸困難などの重い副作用が現れるリスクがあります。そのため、治療を行うかどうか慎重に検討する必要があります。
③ 先生のご家族が患者だったら治療を勧めますか?
もし私の両親が、脳卒中や頭部外傷などによって手足につっぱり(痙縮)が生じ、
「動きにくそうにしている」
「介護の負担が増えている」
という状況であれば、間違いなくボツリヌス治療を勧めます。
もし可能なら、私自身が直接注射を担当したいと思うほどです。
ボツリヌス治療は、医師である私自身が「自分の家族にも安心して勧められる治療」です。
患者さんやご家族の皆様も、どうぞ安心してお気軽にご相談ください。