筋肉が勝手に固く収縮してしまう「痙縮(けいしゅく)」は、脳卒中だけで起こる症状ではありません。
痙縮のメカニズムはまだ完全には解明されていませんが、司令塔である「脳」や「脊髄」などの中枢神経がダメージを受けることで、筋肉への命令がうまく伝わらなくなり、異常な収縮が起きると考えられています。
そのため、脳卒中以外でも、中枢神経に損傷を与えるさまざまな病気や怪我によって痙縮が起こる可能性があります。
痙縮を引き起こす可能性がある主なケース
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頭部の怪我(頭部外傷)
交通事故や転落などによる脳挫傷、急性硬膜外血腫、急性硬膜下血腫など。 -
脊髄の怪我(脊髄損傷)
事故やスポーツによる脊髄の損傷。 -
脳の先天的な障害・疾患
脳性麻痺、低酸素脳症など。 -
脳の感染症の後遺症
髄膜炎や脳炎の後。 -
神経の難病
筋萎縮性側索硬化症(ALS)、進行性核上性麻痺、脊髄小脳変性症、ジストニアなど。
私はこれまで、脳卒中の患者さんはもちろん、頭部外傷、脳性麻痺、低酸素脳症、さらには進行性核上性麻痺やジストニアなどの難病に伴う痙縮に対しても、数多くのボツリヌス療法を行ってまいりました。
脳卒中以外であっても、脳や脊髄の病気・怪我の後に手足のつっぱり(痙縮)が出てきた場合、ボツリヌス療法によって症状を和らげられる可能性があります。
「脳卒中ではないから仕方がない」と諦める必要はありません。
もし、こうした病気や怪我に伴う手足のつっぱりでお困りの場合は、リハビリテーション科などの専門医に、現在の症状に対して治療の適応があるかどうかを相談してみることを一つの選択肢としてご検討ください。