夏場になり気温が上がると、筋肉が温まって緩みやすくなります。
そのため、脳卒中後の麻痺やしびれ、つっぱり(痙縮)にお悩みの方から「夏になると体が動きやすくなった」「しびれが少し楽になった」という声をよく伺います。
筋肉がほぐれ、運動に取り組みやすい絶好の時期ですが、脳卒中後の患者さんには夏場に特に気をつけていただきたい「2つの落とし穴」があります。
気づかぬうちに進む「脱水」
日本は高温多湿なため、汗をかきやすく、自覚がないまま水分を失う「かくれ脱水」が起こりやすくなります。
脱水状態になると血液がドロドロになり、脳梗塞の再発リスクを高めてしまうため、細心の注意が必要です。
具体的な対策
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こまめな水分補給:
「朝起きたら一杯」「動いたら一杯」など、喉が渇く前に飲む習慣をつけましょう。 -
直射日光を避ける:
外出時は帽子を着用し、特に日差しが強い昼間の屋外活動(草むしりなど)は避けましょう。 -
散歩の時間をずらす:
日中の歩行訓練は控え、比較的涼しい早朝や夕方に行うことが推奨されます。
代謝の変化による「食欲不振(夏バテ)」
夏は代謝が早まり、体に見えない疲労が溜まりやすくなります。
また、冷たい飲み物や食べ物ばかりを摂ると、胃腸の働きが弱まり、さらに食欲が落ちるという悪循環に陥ります。
栄養不足は脱水リスクをさらに高め、リハビリの意欲も削いでしまいます。
食事の工夫と対策
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温かいものも取り入れる:
冷たいものばかりに偏らず、温かい飲み物や食べ物で胃腸を労わりましょう。 -
ビタミンとミネラルを補給:
疲労回復に効くビタミン(豚肉や野菜)や、体調を整えるミネラル(魚介類や海藻類に含まれる亜鉛・銅など)を積極的に摂りましょう。 -
消化に良いものを:
うどん、豆腐、納豆、卵など、胃腸に負担の少ない食材を選びましょう。 -
酸味を活用:
お酢や梅干しなど、酸味のある味付けにすると食欲が進みやすくなります。
まとめ
夏は筋肉が温まり、痛みやしびれが軽減して活動的になれる素晴らしい時期です。
「脱水」と「食欲不振」という夏の落とし穴にしっかり対策をしながら、この季節を味方につけて、無理のない範囲で元気に過ごしていきましょう。